JMC-WMU共催シンポジウム
「“新技術が創る船員の未来”」
開催概要 | 当センターは、連携協定を締結している世界海事大学(WMU、スウェーデン・マルメ市)と2023年11月8日にWMU本館・笹川オーディトリアムでシンポジウム「新技術が創る船員の未来」を開催しました。 同シンポジウムでは、海事分野で進展している多様な技術開発が創り出す船員の未来について、海運界の視点を提供するとともに、新たな技術が船員の労働環境に及ぼす影響に関する最新の研究成果を踏まえて、我々が取り組むべき課題を論じました。WMUの教員と学生(日本人2名を含む各国海事行政官)が多く参加し、所定時間を超えて熱心な議論が展開されました。 |
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日時 | 2023年11月8日(水) 14:00 ~ 16:00 |
開催方法 | 対面及び録画配信 |
開催場所 | 世界海事大学(WMU) 本館 (マルメ市、スウェーデン) |
共催 | 公益財団法人 日本海事センター(JMC) 世界海事大学(WMU) |
協力 | 国際海事機関(IMO) ボルチック国際海運協議会(BIMCO) |
開会挨拶 |
WMU 学長 マキシモ Q. メヒア Jr.氏 |
開会挨拶 |
(公財)日本海事センター 会長 宿利 正史 |
来賓挨拶(録画) |
国際海事機関(IMO)事務局長 キータック・リム氏 |
講演1 |
「デジタライゼーション:海運会社の経験と展望」 |
講演2 |
「将来の船員に求められるスキルと能力」 |
講演3 |
「船員の安全と健康に対する技術の影響」 |
パネルディスカッション |
モデレーター:北田桃子氏 |
閉会挨拶 |
WMU教授 アイクット・オーチャー氏 |
吹替版動画 (通し) | |
原語版動画 (通し) |
登壇者 略歴
WMU 学長 マキシモ Q. メヒア Jr 氏
マキシモ Q. メヒア教授は、海事ガバナンス、政策、行政の分野で優れた世界的リーダーおよび学者である。30年を超える専門的かつ学術的な経験を持つメヒア教授は、きれいな海洋での安全、安心、持続可能、効率的な輸送の促進を熱心に国際的に提唱している。
メヒア教授は、IMOの枠組みの中で設立された大学であり、海事・海洋教育の世界的拠点である世界海事大学(WMU)の第8代学長に2023年7月に就任した。彼はアジア出身としてもWMU卒業生としても初めての学長であり、最高経営責任者として、大学の学術プログラム、運営、管理を監督および指揮している。
公益財団法人 日本海事センター 会長 宿利 正史
1974年東京大学法学部卒業。1974年4月に運輸省(現:国土交通省)に入省。運輸大臣秘書官、航空局審議官・監理部長・次長、大臣官房総括審議官、自動車交通局長、総合政策局長、大臣官房長 、国土交通審議官、事務次官を歴任。1984年から1987年まで在インドネシア日本国大使館一等書記官、1991年から1995年まで内閣法制局参事官を務めた。2013年8月から東京大学公共政策大学院客員教授(交通政策)、2014年4月から一般社団法人国際高速鉄道協会(IHRA)理事長、2018年6月から一般財団法人運輸総合研究所会長、2021年6月から公益財団法人日本海事センター会長を務める。
国際海事機関(IMO)事務局長 キータック・リム氏
キータック・リム氏は国際海事機関 (IMO) の事務局長である。韓国慶尚南道馬山生まれのリム氏は、釜山の韓国海洋大学(KMOU)を卒業し、1985年に韓国海事港湾局に入庁するまで海上勤務を経験した。1986年からは、韓国代表団の一員としてIMO会議に出席した。2006年、リム氏はロンドンの韓国大使館の海事武官兼公使参事官に任命され、2009年8月までIMOの常任代理を務め、その後、国土交通海事局(MLTM)の海上安全局長に任命された。2011年、リム氏は韓国海上安全裁判所 (KMST) の長官に任命された。2012年に釜山港湾庁長官に就任し、2016年1月にIMO事務総長に就任した。
ボルチック国際海運協議会(BIMCO) 海上安全・セキュリティ部マネージャー イェッペ・シューヴバッケ・ジュール 氏
イェッペ・スコフバッケ・ジュール氏は、造船設計者としての教育を受けた後、12年間にわたりBIMCOの海上安全・セキュリティ担当マネージャーとしての役職に就いており、さまざまな技術関連事項に関するBICMOの取り組みに責任を負っている。 現在は主に、海事デジタル化と自律船、港湾の効率化、船舶と陸上のインターフェース及びデータ交換で取り組んでいる。
かつてジュール氏は、IMOの温室効果ガス戦略に関して深く関わっていた。 また、水中放射騒音や海上でのコンテナの紛失、船舶の安定性に関する知見も備えている。キャリアを通じてIMOの会議に出席してきた同氏は、旗国に関する問題 (旗国の責任、目標・機能ベースの規制、正式な安全評価方法を含むリスクベースの承認プロセス) にも精通している。
BIMCO以前は、FORCE Technologyで研究・イノベーションプロジェクトに8年間勤務し、さらに8年間デンマーク海事庁で勤務経験がある。
WMU教授(海事教育訓練ヘッド) 北田 桃子 氏
北田桃子博士は、元船員であり、WMUで海事教育訓練のヘッドを務めている。 海事・海洋部門のジェンダー問題に関して18 年間の研究経験があり、優れた出版実績を持っている。講義では、海事教育訓練及び海事エネルギー管理を担当している。 また、世界各地域にIMOが設立した女性海事協会(WIMA)を含む、女性海事プログラムに関する IMOとの協力活動や、IMOのジェンダー関連活動の共同評価および監査を主導している。
2014年からは、WMU女性協会 (WMUWA) の事務局を務めており、持続可能な開発のための海洋科学の10年における女性のエンパワーメントなど、いくつかの研究プロジェクトを主導している。
さらに、国際労働機関(ILO)の参加型ジェンダー監査ファシリテーター及びモニタリングと評価の専門家として資格を有している。
WMU 助教授 ハンサ・ラグダミ 氏
カンサ・ラグダミ博士は、2015 年にWMUに就職し、現在は海事労働法を専門として、国際運輸労連(ITF)船員トラストの助教授を務めている。また、専門能力開発プログラムである WMU の海洋福祉 (Mari-Wel)プログラムの学術コーディネーターでもある。
ラグダミ博士は、船員の権利、海事に関する世界有数の専門家を集め、船員の福祉に関連するトピックと問題の包括的な概要を提供しており、WMU の未来の仕事プログラムの主要メンバーでもある。彼女の研究と学術的関心には、海上安全保障、海事部門における仕事の未来、プロジェクトの作成、プロジェクト管理、能力開発が含まれる。
同博士は、フランスのナント大学で海事法の博士号を取得し、また、フランスのペルピニャン大学で経営学および国際比較法の法学修士号を取得している。法学部では、国際公法、海洋法、海事法を教えていた経験を有する。