フォーラム・講演会

Forum

第32回海事・観光立国フォーラム in 三重 2023
「観光と一体となった海事の振興と海の安全・安心」
を開催しました。

開催概要  リアス式海岸が育んだ美しい海原と多島美などで有名な鳥羽周辺の海域は、世界的に有名な海のリゾート地として知られている一方、今後益々の発展のためには、交流拠点としての魅力の維持・向上や海の安全・安心への信頼向上など、多様な主体による持続的な取組が求められている。
 このため、観光と一体となった海事の振興と海の安全・安心に関して、三重県、海上保安庁の協力の下、トップリーダーによる発表及び意見交換等を行った。
日時 2023年10月11日(水) 13:30 ~ 17:35
開催方法 実開催(YouTube配信あり)
開催場所 鳥羽国際ホテル ハーバーウイング6階 バンケット「海城」
(〒517-0011 三重県鳥羽市鳥羽1-23-1)
主催 公益財団法人 日本海事センター
協力 三重県、海上保安庁
後援 国土交通省
開会のご挨拶

(公財)日本海事センター会長 宿利 正史

開会挨拶

開会挨拶動画

略歴

来賓のご挨拶

三重県知事 一見 勝之氏

来賓挨拶動画

略歴

来賓のご挨拶

鳥羽市長 中村 欣一郎氏

来賓挨拶動画

略歴

特別講演

三重県知事 一見 勝之氏
(※都合により、講演資料の掲載はございません)

講演動画

講演

伊勢志摩国立公園エコツーリズム推進協議会 会長 江崎 貴久氏
(※都合により、講演資料・動画の掲載はございません)

略歴

モデレーター

早稲田大学法学学術院 教授 河野 真理子氏

パネルディスカッション動画

略歴

パネリスト

海上保安庁第四管区海上保安本部長 奥 康彦氏
(※都合により、講演資料の掲載はございません)

パネリスト動画

略歴

パネリスト

国土交通省中部運輸局長 金子 正志氏

講演資料

パネリスト動画

略歴

研究発表

(公財)日本海事センター 研究員 坂本尚繁

講演資料

講演動画

略歴

コメンテーター

早稲田大学法学学術院 教授 河野 真理子氏

講演資料

講演動画

特別講演

海上保安庁総務部長  高杉 典弘氏
(※都合により、講演資料の掲載はございません)

講演動画

略歴

ミニ海保フェア

海上保安庁音楽隊のアンサンブル演奏

演奏動画

音楽隊の紹介

閉会のご挨拶

公益財団法人 日本海事センター 理事長 平垣内 久隆

閉会挨拶

閉会挨拶動画

略歴

フォーラム動画
(通し)
https://youtu.be/woiTb4YXCwE

当日のプログラム

第32回海事・観光立国フォーラム in 三重 2023の開催結果(概要)

◆開 催 日:令和51011日(水)

場所鳥羽国際ホテル 6階バンケット「海城」 

517-0011 三重県鳥羽市鳥羽1231                                 

◆主催:(公財)日本海事センター

◆協力:三重県、海上保安庁

◆後援:国土交通省

【開会あいさつ】 宿利 正史 (公財)日本海事センター会長

(別添参照)


【来賓あいさつ】 一見 勝之 三重県知事

「伊勢の海の沖つ白波花にもが包みて妹が家づとにせむ」という万葉集からの一首を紹介し、伊勢の海は古代から歌に詠まれたし、多くの方が来られた。伊勢志摩が風光明媚な場所であることを示すものだ、と三重県の持つ海のポテンシャルを強調されました。

また、海は外敵を隔てる盾の役割も果たしている一方、津波や高波で亡くなる方もいるので、海に対しては感謝する一方、きちんと備えなければならない、と述べられました。

さらに、鳥羽周辺の海域は主府県への海の出入口であり、外航・内航の船が行き交う日本の経済・産業にとって重要な場所であることを力説されました。


【来賓あいさつ】 中村 欣一郎 鳥羽市長

ロシアのウクライナ侵攻や燃料高騰などの世界の混沌とした情勢の中で変わらぬ日常があるのは海事産業の取組が日常生活に反映されているものであり、感謝したい、と述べられました。

また、鳥羽市が「海の恵みがつなぐまち」であり、人と人、地域と地域が海を隔てているのではなく、つないでいるという考え方で行政を進めていることが紹介されました。

さらに、鳥羽には海に関する研究施設が多く、「海のシリコンバレー」であるとして鳥羽市を紹介。この国の豊かな海の恵みは持続的に価値を下げることなく次代に繋いでほしい、と語られました。


【第一部】

【特別講演】 一見 勝之 三重県知事

「「美し国」三重の挑戦」

  観光資源

  海の歴史

  海と産業

  海と観光

について、それぞれ紹介が行われました。

  については、リアス式海岸等の美しい自然や伊勢神宮をはじめとした豊かな歴史や文化があり、松坂牛、伊勢エビなどの豊かな食もあるほか、上質な宿泊施設や魅力的な観光施設が多数あることも紹介されました。

  については、紀元前からの伊勢神宮の鎮座や海女さんの文化、徳川家康の本能寺の変後の伊勢越え、江戸時代後期の大黒屋光太夫などが紹介されました。

  については、外貿コンテナ取扱量が全国10位の四日市港や四日市コンビナート、真珠の養殖、青さ海苔などが紹介されました。

  については、桑名の七里のわたしや鳥羽市のミキモト真珠島、志摩市の横山展望台などが紹介されました。

そのうえで、三重の海に関する課題として、「海水温の上昇」、「海洋ごみ」等を指摘されたほか、三重の海が有する可能性として、「洋上風力発電」と「海洋データセンター」を上げられました

さらには、物流2024年問題が大きな課題として認識される中、四日市港が海運モーダルシフトの大きな拠点としてポテンシャルを有すると強調されました。

また、三重の海に関する課題として、南海トラフ地震発生時の津波被害が予想されることを挙げ、県庁内で初動オペレーションのためのシチュエーションルームの設置をしたことのほか、今後は津波避難タワーの整備などについて予算を計上していくことについて言及されました

さらに、三重の魅力のプロモーションのため、広告宣伝や大阪万博での三重県ブースの設置、さらにはクルーズの寄港促進への取組や受け入れ促進に向けた取組についても紹介されました。


【講演】

伊勢志摩国立公園エコツーリズム推進協議会 江崎 貴久 会長

 「伊勢志摩における海との共生に向けた取組み~観光の現場から~」

海島遊民クラブとして、伊勢志摩の魅力を伝えていくためのエコツアーなどの取組について紹介されました。

とくに、観光は「鏡」であるとして、訪れるお客様の魅力を映し出す場でもあること、また、人が暮らして生活を育む場としての「奥深い知恵」を知らせることが大変重要であることも紹介されました。

観光の現場に来てみないとわからない価値を「無形観光資源」と呼んでおり、そのようなことを伝えていく「意味のある観光」をすることにより、「持続可能な地域づくり」につなげていきたい、との抱負を述べられました。

持続可能な観光のためには、持続可能な経営体制も不可欠であり、ローカルインパクトとして、ごみ持ち帰りなどのゼロインパクトも大事な一方、プラスインパクトを作り出していくことが重要であり、それが地域におけるストーリーを知ってもらう「ブランド化」にもつながっていく、として鳥羽市で行われている海女さんと一緒にわかめ狩りをする体験型観光などについて紹介がなされました。


【第二部】

【パネルディスカッション】

「海をめぐる課題への対応と関係者間による連携・協働」

モデレーター:河野 真理子 早稲田大学法学学術院教授

パネリスト: 奥 康彦  海上保安庁第四管区海上保安本部長

   金子正志  国土交通省中部運輸局長

奥氏からは、「観光と海洋教育と海上保安庁」について、発表がありました。まず「灯台を活用した観光振興」については、三重県尾鷲市の三木埼灯台を活用したトレッキングツアーや、三重県鳥羽市の菅島灯台での島っ子ガイドの活動などが紹介されました。また「海洋教育への協力」については、職場体験学習や海上安全教室、小学校教員への安全教室、海洋少年団、および「海しる」を活用した海洋教育への第四管区の協力について紹介がありました。

続いて金子氏からは、「中部運輸局が取り組む海の活性化」について、発表がありました。中部地方の海事産業の現況の説明に続き、「中部の海や船舶を活用した地域振興」について、クルーズ船の寄港や船舶を活用した観光の提供、海をテーマとする体験型観光の充実などを通じた地域振興への貢献が説明されました。また「海事の担い手の確保・育成」について、採用イベントや就職セミナー、就業体験等の開催による積極的な勧誘や、高校生向けに海の仕事を紹介するパンフレットの作成と配布、幼少期から海に親しんでもらうための取組みが紹介されました。

その後モデレーターの河野教授から、「第四管区・中部運輸局における海上交通の安全のための取組み」について質問があり、奥氏からは、関係機関・団体と連携した事故防止および事故対応、そのためのコーディネート等の取組みについて回答がありました。金子氏からは、国の定める制度・基準に基づき、現場の声を聴きながら個々の現実を踏まえて安全を確保していきたいとの回答がありました。

最後にモデレーターの河野教授から「海事人材の確保・育成」について質問があり、奥氏からは、教育委員会など様々な関係者を通じて海洋教育の一層の拡大の取組みを進めていきたいとの回答がありました。金子氏からは、安全に人や物を運ぶことの重要性を説き、海事関係の仕事の魅力を一層高めていきたいとの回答がありました。


【海事センター研究発表】

「洋上風力発電と国内外における取組み等の動向」

(公財)日本海事センター 坂本尚繁研究員

コメンテーター:河野 真理子 早稲田大学法学学術院教授

洋上風力発電に関する英国や台湾など海外における動向や、日本国内での一般海域および港湾での洋上風力発電導入に係る動向、北九州港などの基地港湾や、洋上風力発電事業で使用される船舶、および英国を一例とした洋上風力に係る船舶の航行安全確保の取組みについて紹介しました。(別添資料参照)

洋上風力発電に関する英国や台湾など海外における動向や、日本国内での一般海域および港湾での洋上風力発電導入に係る動向、北九州港などの基地港湾や、洋上風力発電事業で使用される船舶、および英国を一例とした洋上風力に係る船舶の航行安全確保の取組みについて紹介しました。(別添資料参照)

続いてコメンテーターの河野教授より、欧州における洋上風力の基地港湾・サプライチェーンの形成につき、北海周辺の港湾は相互に協力してそれぞれの最も得意な点を分業して取組みを進めているとのコメントがありました。また、欧州など諸外国の状況を踏まえ、日本の海域に最も適した洋上風力、基地港湾、船舶のあり方を如何に考えるかが今後の日本の課題となる、との発言がありました。

最後に会場から、洋上風力発電の立地に伴う産業への経済波及効果について質問があり、坂本より、部品輸送・設置工事・メンテナンス等の分野を中心とした地元への波及効果について回答いたしました。


【第三部】

【特別講演】

高杉 典弘 海上保安庁総務部長

「海の安全・安心への取組み」

海上保安庁が取組んでいる海の安全・安心の取組について紹介がなされました。

尖閣諸島での領海警備のほか、自然災害発生時のヘリを使った救助活動、海洋環境の保全の取組み、海上交通の安全確保の取組のほか、最近は多国間連携の取組として海上保安機関長官級会合の開催などの取組を進めていることが紹介されました。

また、第4管区として海上交通センターでの管制業務の他、鳥羽保安部、四日市保安部、浜島分室などの組織の紹介、そのほか三重県との災害時の連携協定の締結などについての紹介がなされました。


【ミニ海保フェア】

第四管区海上保安本部・鳥羽海上保安部等

うみまる、うーみんも参加して、海上保安庁音楽隊アンサンブルより演奏が行われました。


【閉会あいさつ】

平垣内 久隆(公財)日本海事センター理事長

(別添参照)


(注)

本開催結果(概要)は主催者側の責任で速報版としてまとめたものであり、発言を大幅に簡略化し発言の趣旨等が十分に反映されていない箇所や、そもそも発言が欠落している箇所、また発言のニュアンスや語尾等を正確に再現できていない箇所等がありますので、正確な発言の詳細等を確認したい場合は動画を視聴してご確認をお願いします。
 なお、一部動画の掲載がないことにつきましては、何卒ご了承のほどお願いいたします。